2018年4月15日

小さい春みつけた(青虫との出会い)

ひとりで公園に行った。
先日の国分寺界隈の散歩のときと同じような曇り空。風が心地好い。
相変わらずこころはふさいだまま晴れることはない。
雑木林にも、国分寺の方にも足をのばす気になれない。

アア ツマラナイ・・・

公園から裏山の雑木林に続く傾斜にシャガの花がいくつも咲いていた。
日蔭を好むという、白と青の繊細な花びら。わたしもまたひともとの隠花植物だ。
樹の下に立ち、葉の裏側を見上げる。誰かの絵を思い出す。

なんとなく気が鬱して帰ろうとしたら、小さな緑色の糸くずのようなものがフワフワと宙を浮いている。
なんだろうと顔を近づけてよく見ると小指の第一関節くらいの長さのちいなさ青虫が春の大気の中で遊泳を楽しんでいるのだった。どうやって浮いているんだろう?見えない糸でぶら下がっているのかと上を見ると、樹の枝が繁っているあたりまで十メートルはありそうだ。

腰をかがめて彼が宙を楽しそうに泳いでいるのを眺めた。
ときどきあたまの部分を傘の柄のようにクックッと丸めて。
空を飛んでうれしくてたまらない春の子供の、キャッキャッという声が聞こえてきそうだった

「たのしそうだね。」

以前尾崎放哉の

淋 し く な れ ば 木 の 葉 が 踊 っ て み せ る 

という句を書いた。

今日は青虫がふしぎな踊りを見せて、わたしの淋しいこころを慰めてくれた。

ド ウ モ ア リ ガ ト ウ 。


新緑( New Leaves), 1915,  速水御舟 / Hayami Gyoshu. (1894 - 1935) 







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