2018年3月17日

今年初めての外出 ー 右を向いても 左を見ても 馬鹿と阿呆の絡み合い

自転車で十五分ほどの医院に薬を取りに行った。今日が今年はじめての外出になる。
今年初めて立つ空の真下。けれども三カ月ぶりに部屋の外に出ても、すがすがしいとか、のびのびするという感覚はなく、永遠に剥がれることのない瘡蓋のようなものが、わたしの心を硬く塞いでいる。
角の公園の桜の木々は、枝の太いところから伐り落とされていて、見るからにいたましい姿をしていた。公園内は隅々まで落ち葉ひとつないほどに「掃き清められて」いた。年配の男性たちが、小さな鎌(?)のようなもので、大地から萌え出でている野の花の根っこをほじくりかえしていた。
いま、この邦のひとたちは、落ち葉や野の草花を「塵芥(ごみ)」とみなしている。
(もちろん秋の紅葉も、地に落ちるや否や、すみやかにゴミとして集められ処分される・・・)
そして人の手によって植えられた園芸種の花々が咲き誇ることが、美しく清潔な公園だと信じている。
帰り道、緩やかな上り坂で自転車を押して歩いていると、歩道をスマートフォンを眺めながら初老(?)の男性が歩いてきた、わたしは嫌悪と侮蔑の念を隠すことなく、彼の顔をじっとみつめた。彼はわたしの視線に気づいたようだったが、もちろん恥じらう様子も照れた表情も見せることはなく、平然とスマホをいじりながら坂の下へ消えていった。
わたしの心は解放されることはなく、再び扉が閉じられた。


夜半 何ということもなく
目がさめる
すこし息ぐるしい
動悸がしている
そっと胸に手をあてて
確かめてみる
五十年 ぼくのために
働きつづけてくれた心臓よ
ぼくが疲れたように
おまえも疲れたようだ
ひるも夜もやすみなく働きつづけて
ぼくは何だかおまえが可哀想になってきた
ーーいいから
  もうおやすみ
そういってやりたくなった
手をおけば 今夜もことんことんとこたえてくれる
つかれた可哀想なぼくの心臓よ
ー 大木実「夜半の目ざめに」





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