窓から見えるもの




これはフランスの写真家、ルネ・ジャックスの撮った1950年頃のモノクロ写真。
場所は”Ile-de-France”とあるけれど、パリの郊外(?)
この壁のよごれ具合なんか実に味わい深いですね。
住んでいる人間とともに歳月を重ねている、ともに老い、ともに朽ちてゆく。そんな感じがします。
生き物としてのヒトの棲み処、或は巣、そんな印象を強く持ちます。

こういう窓を眺めながら、その内側で生きている人の生活をあれこれ想像して飽きることがありません。

どんな(きっと質素な木製の?)本棚にどんな本が並べられているのだろう?

壁にはどんな絵やポスター(ひょっとしてサヴィニャック?)が飾られれているのだろう?

どんな花が活けられているのだろう?(ワインボトルの一輪挿し?)

どんなレコードが置いてあるのだろう?

この部屋の住人もきっと時折この窓の外を眺めていたのだろう。どんな音楽を聴きながら・・・? モーツァルト?シャルル・トレネ?ピアフ?それともアリア?



かつてアメリカのイラストレーター、エドワード・ゴーリーは、「わたしの大好きな旅は窓から外の世界を眺めることだ」と云いました。
でも窓の下に立って、窓の内側にある小宇宙をあれこれ空想するのも、わたしにとって素敵な旅です。
いや、むしろ今、外の世界は”Too Much Realities”、あまりに味もそっけもない殺風景なもので、
窓の「内側」に思いを巡らす方がいろいろな心地よいイメージを喚起させられるのかもしれません。
もっともそんな風に多くを語り掛けてくる、ストーリィを持った窓にはめったにお目にかかることはありませんけれど。


0 件のコメント:

コメントを投稿